1.受付室設置のアンティーク家具

①ブルトン様式家具

 

ブルトン様式の家具
 
 
   中間の柱は、右に男性の立像、左に女性の立像が彫られています。家具の柱にこのような男女の姿が彫刻されているのは、極めて珍しく、ご覧いただければと思います。
 
注:受付室では、受付、コーヒー販売とともにアンティーク等の製品を限定販売しますが、その中には、アンティークなブルトン家具のドアの一部も予定しています。

 
 
 
 

 受付室設置のアンティーク家具にブルトン様式の家具が有ります。世界民族仮面プチギャラリーでは、各地の民族の顔に被る仮面を展示していますので、顔を含む人物像を立体的あるいはレリーフ状に彫刻してあるブルトン様式の家具は、仮面と相性の良い家具かと思い設置しています。この様式の家具では、 人の姿を彫刻して柱として用いたり、あるいはレリーフしてドアのパネルとしています。とても珍しい重厚な家具で、他の西洋の様式の家具では見られない貴重な家具です。最初に見た時にはきっと驚かれることでしょう。
 
 このブルトン様式の家具を製作し使用しているのは、フランスの北西端に位置するブルターニュ地方に住んでいるブルトン人です。
この地方は、昔からフランス文化圏とは異なり、古代ケルトの流れを汲む独特の文化を持っているブルトンと呼ばれる人々が住んでいます。
 
 ブルトン家具は、19世紀の終わり頃から、ウォールナット及びオーク材に彫刻を施して、て多くの家具が製造されました。
重厚かつどこか素朴なブルトン家具は、働く人々やブルターニュの自然をモチーフをしたものが多く見られ、洗練されたフランスの意匠とは対極にあるような家具です。
 
 

     男女の人物像の彫刻と同じく特徴的なのが
 円盤状の透かし彫りです。海洋民族でもあるブ
 ルトン人は、船をこよなく愛し、「船の舵輪」
 をモチーフにして、 細かな格子状の装飾である
 スピンドル装飾を家具に取り れています。
 重厚かつどこか素朴な家具は、働く人々やブル
 ターニュの自然をモチーフをした人間味あふれ
 る優れた家具です。
 
 
 
  
 
 
 
 
 スピンドル装飾と男女の人物像

 
 
ブルトン家具の女性の柱              ブルトン家具の男子の柱 
 
 

②アールデコ様式家具

 

アールデコ様式の家具
 

 
 

 
 機能的であると同時に装飾に優れているのがアールデコ様式の家具です。現在でも実用になりうるものかと思います。
 アールヌーボーの時代の後に登場した様式で、幾何学模様が取り入れられています。また、家具に鉄の部品が使用されるようになりました。木は天然の木目を生かすように工夫されています。
 
注:併設の喫茶アールデコ https://cafe-artdeco.com/ で、別途アールデコ様式について詳細説明

 
③ルネッサンス様式の家具

 
 ルネッサンス様式の家具でも人物の顔や姿が柱やドアの装飾に用いられることが有ります。
自然のなかでの人物像のブルトン家具と違い、ルネッサンス様式の人物像は、独立した人物像や顔の表現となっており、
超人的な人物像や不思議な動物の姿の彫刻も見られます。
 ルネッサンス様式の家具も受付室に設置しています。
ルネッサンス様式は、15世紀から17世紀にかけてイタリアを中心にヨーロッパ各地に波及した文芸復興の様式です。
15世紀末にはフランスに伝搬しています。
 

ルネッサンス様式の家具の柱装飾                     ルネッサンス様式の家具の扉
 
 
  1453年東ローマ帝国が滅亡し、多数の知識人がイタリアに亡命し、非科学的、
 非理性的な中世の思考から脱却し、忘れられていたギリシャ、ローマの失われた文化が復興しますが、
 それがルネッサンス運動です。
  ギリシャ神話や獣、アカンサスの葉等が題材となる華美な彫刻や象嵌がルネッサンス様式家具に施されました。
  この時代は、社会が安定してきて、建築の様式が改良され、壁に窓が作るのが可能となり、
 室内が明るくなって室内装飾が可能となり、絵画や彫刻が飾られるようになった時代です。
 ギリシャ、ローマ文化が見直され、家具も立体的な彫刻をした豪華なルネッサンス様式の家具が
 使われるようになりました。
  この神秘的なルネッサンス様式は、 19世紀なると再評価されます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 ルネッサンス様式の家具の柱装飾
 
 

④その他様式

 
 これらの他にも、いくつかの様式のアンティーク家具を設置しており、
それら家具の一部の写真を載せていますので、実際の家具は来られた時にご覧下さい。
 
丹念に彫刻された様々なアンティーク家具のドアや柱の一部
 
 
 また、受付室の中央には、長く延長したテーブルの周りにアンティークの椅子を置いてあります。
 ビデオを 見、あるいはコーヒーを飲みながら、昔のアンティーク椅子の座り心地を堪能できます。
 

受付室で直接にお座り戴くアンティーク椅子
 
 
 

2.仮面展示台として活用のアンティーク家具

①ブルトン様式家具

 
 展示室においても、仮面との相性からブルトン様式の家具を活用しています。
 

 
 

 
 
 
 
 
 

 
 
 左は、船の舵輪をモチーフにした細かな格子状のスピンドル装飾を多用したブルトン家具です。
 丸いスピンドル装飾が上部の飾りとして用いられ、また下部のドアの飾りとしても用いられています。
 中段の棚には、直線状のスピンドル装飾が見られ、ここに食器のお皿を置いて飾ります。下段の上部には二つの引き出しがあり、小さな食器やナイフ、フォーク等を収納します。
 また下部には空間があり、大きな鍋等の食器を置いていたかと思われます。装飾が見事ですが、同時に実用的でも有ります。
 このブルトン家具は、南米仮面コーナーの台として用いています。
 
 
 
 
 下は、ブルトン様式の洗面台の家具です。
 中央後部に鏡があり、覗き込むと顔が見れます。その鏡の左右の裾に四分の一周のスピンドル装飾が見られます。
 真ん中の台は白い大理石で2段になっており、上段にコップ、櫛等の小物をおき、広い下段に洗面容器等を置いて顔を洗います。
 その下は、アカンサス葉の模様付きの引き出しになっています。そして家具外の左右にはタオル掛けが付いており実用的です。
 下段のオープンスペースには、使用しないときの容器等を置く場所になっています。
 ヒマラヤコーナーの展示台として用いています。
 

 
 
 
 
 

 左は、ブルトン様式の収納箱付きの二人用腰掛椅子です。背面上部の淵には貝と波を表す文様が彫られ、その下中央には、左に男性の顔、中央に羊を飼っている人の姿、そして右側に女性の顔がレリーフされています。
 その下の平らな座る台は持ち上げられ、中に物を入れて収納する事ができます。
 日本の仮面コーナーの展示台として用いていますが、展示の際に、台の上に鎧を置いてあり、後ろの背面は日本の人物像を描いた布で覆っていますので、残念ながら背面装飾は見られません。

 

アールデコ様式家具

 
  展示には、アールデコ様式の家具もいくつか使用しています。
 
不思議自然コーナーで利用のガラス窓付きアールデコ家具
 

世界の民族人形コーナーで利用のアールデコ家具
 
 
  
 
  

 

 
 仮面試着コーナーで利用のアールデコ家具
 
世界の動物人形コーナーで利用のアールデコ家具
 

③ルネッサンス様式家具

 
  二階展示室の受付コーナーに用いているルネサンス様式の家具です。
  引き出し扉には、アカンサスの葉模様装飾、左右の柱にはギリシャ神話の
 不思議な動物の顔が彫刻されています。
  上段斜めの棚は、手前に折れ曲がり両脇に木の棒が支えとして出て来て、
 筆記台となります。(受付利用のため、反対向きに設置)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ルネッサンス家具(二階受付コーナー)
  
 

④その他様式家具

 
中国のアンティーク家具(チモールコーナー)               日本のアンティーク違い飾り棚(パプアニューギニアコーナー)