日本の仮面(一部紹介)

 

1.スサノオノミコト仮面

 
 古事記では、スサノオノミコトは、天照大神(あまてらす)が統治する高天野原を追い出され、出雲の国に向かいます。出雲の鳥髪山(現在の船通山)へ降った建速須佐之男命は、その地を荒らしていた巨大な怪物八岐大蛇(八俣遠呂智)への生贄にされそうになっていた美しい少女櫛名田比売(奇稲田姫・くしなだひめ)と出会います。スサノオノミコトは、櫛名田比売の姿形を歯の多い櫛に変えて髪に挿し、八俣遠呂智を退治します。そして八俣遠呂智の尾から出てきた草那芸之大刀(くさなぎのたち、紀・草薙剣)を天照御大神に献上し、それが古代天皇の権威たる三種の神器の一つとなります。
 
 

東京文京区本郷の骨董店で購入:文政辛巳 1821年製作
スサノオの面と思われる
 
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備中神楽のスサノオノミコト仮面
 

大分県湯布院の骨董屋で購入:製作   
年不詳 スサノオの面と思われる

2.建御名方神(タケミナカタノカミ)の仮面

 
 古事記によれば、建御名方神(タケミナカタノカミ)は巨大な岩を軽々と持ち上げながらやってきて、建御雷神に力比べを挑みます。ところが、建御名方神が引っ張った建御雷神(タケミカズチノカミ)の手は氷柱に変わり、更に剣の刃となります。ひるんで手を放した建御名方神の手を、今度は建御雷神が掴むと、建御名方神の手は葦のように柔らかくなり、いとも簡単に投げ飛ばされてしまったということです。
 かなわないと思った建御名方神は、なりふり構わず逃げ出し、ついに信濃国諏訪の湖に追い詰められ命乞いをします。
「どうか私を殺さないでください。これから私は、諏訪の地を一歩も出ません。父と兄にも逆らいません。この葦原中国は、天つ神の御子に差し上げましょう」
こうして国譲りは完了し、建御名方神は諏訪の地に鎮まることとなります。
 
 

大分県国東市の民芸六郷三房製作の赤い神楽面
(タケミナカタノカミの仮面か?)
 
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備中神楽の建御名方神(タケミナカタノカミ)仮面